NPO法人(特定非営利活動法人)『被爆者の声』は、伊藤さんが遺された映像資産を編集・発表することを目的に設立されました。設立後、活動範囲は多岐に渡り、改めて伊藤さんの遺志を継いでいくことを目的として活動しています。

被爆者の声ホームページの歩み

当法人は、「被爆者の肉声を記録し、世界に届ける」ことを理念に、2006年から映像・音声を中心とした証言アーカイブの構築と公開に取り組んでいます。

  • 2006年5月:CD作品を基に「被爆者の声」ホームページ開設(日本語版)
  • 2008年4月:英語字幕版サイト「voshn.com」公開
  • 2009年8月:カセット版「被爆を語る」公開
  • 2009年12月:ビデオ版の英語による証言を公開
  • 2010年8月:ビデオ版の日本語による証言(104名)を公開
  • 2012年8月:日本語証言の追加公開(142名分)
英語字幕版プロジェクトの背景

伊藤さんからCDを寄贈された方の発案により、英語字幕プロジェクトが始動しました。吹き替えではなく、伊藤さんの「肉声を大切にしたい」という想いから字幕方式を選択。翻訳は2006年より開始され、学生から高齢の被爆者まで23名が協力。米国在住の翻訳者によるネイティブチェックも行われ、2008年4月に全9ディスクが公開されました。英語版ホームページはこちらをご覧下さい。

多言語化への取り組み

核兵器保有国の言語に順次対応するという伊藤さんの考えに基づき、2008年には中国語版の制作がスタート。有償で中国史研究者に依頼するなど、新たな形での翻訳活動も進行しています。将来的にはロシア語やフランス語版の実現も視野に入れています。

映像証言の制作と公開

2006年11月からビデオ収録を開始。試行錯誤を重ねる中で、英語での証言が世界に直接訴える力になると確信されました。編集は伊藤さんの意志を引き継ぎ、法人メンバーが担当しています。

編集メンバー紹介

名前職種住所
古川義久コピーライター長崎県長崎市
佐藤 毅カタログ制作東京都練馬区
難波稔典映像制作者東京都新宿区
二つの会の活動
被爆者の声を記録する会(1971年設立)記録活動を目的としたグループ。広島での収録は伊藤さん自身が担うことに。
被爆者の声を世界に伝える会(2008年設立)伊藤さんが会長、古川氏が事務局長として発足。サイトの広報活動を担い、「記録する会」の活動を発展的に引き継ぎました。
NPO法人「被爆者の声」の設立

2009年11月5日、伊藤さんの誕生日に法人化。伊藤さんが遺した貴重な映像資料を守り、後世に伝えていく使命を果たすべく、特定非営利活動法人として新たな一歩を踏み出しました。

NPO法人「被爆者の声」の概要
  • 所轄庁:長崎県
  • 法人名称:特定非営利活動法人 被爆者の声
  • 法人名称(フリガナ):ヒバクシャノコエ
  • 主たる事務所の所在地:長崎県長崎市横尾1丁目7番19号
  • 代表:難波 稔典
  • 理事:関口 達夫 西 浩孝
  • 監事:伊藤 公彦
  • 設立認証年月日:2011年09月01日
  • 定款に記載された目的:この法人は、世界の人々に対して、広島・長崎における原爆被爆の実相を伝える事業を行い、世界平和に寄与することを目的とする。
  • 活動分野:人権・平和/連絡・助言・援助